お仕事はもちろんのこと、長期休暇や年末年始を利用してプライベートでも世界中を旅し、あらゆるホテルに滞在してきたというモデルの大屋夏南さんが、厳選しておすすめしたいホテルを連載コラム形式にてご紹介。4回目は、アメリカを横断するロードトリップ中に思いきって滞在したという憧れのホテル「AMANGIRI」をpick upします。

「AMANGIRI」といえば、ご存知の方も多いかもしれませんが、アメリカの沙漠のなかにある、かの有名なアマングループの世界最高峰のホテル。私も10年くらい前から知っていて、世の中にはこんなすごいものが存在するんだと思いながら、一生に一度でも泊まれたらいいなあと、夢見ていたホテルでした。なんとその「AMANGIRI」に、ついに泊まることができたのです。
きっかけは、ロサンゼルスからフェニックスまで、2週間かけてアメリカを横断するロードトリップに出かけたことでした。アンテロープ・キャニオンを通り過ぎ、ふと調べてみると、あの「AMANGIRI」が近くにある。しかも、なんという偶然か、その日だけ1泊部屋が空いているというのです。でも、目玉が飛び出るほど高い。最初は私もビビって、やめようとしましたが、こんな経験はもう絶対にないからと、夫に説得され、泊まることにしました。

これまでアマングループのホテルには泊まったことがありましたが、「AMANGIRI」はやっぱりダントツですごかった。まず、土地が広すぎて、どこからどこまでがホテルなのかもわからない。砂漠を車で走っていると突然門が現れて、インターフォンを押して名前を伝えると、ゲートが開くんです。そこからまた建物まで10分くらい運転するんですが、その途中にトレッキングの道が整備されていたりして、建物に着くまでにもう圧倒されました(笑)。
ホテルの建物自体は、周囲の自然にスッと刺さるような、ストイックで潔い直線的なデザイン。岩場に馴染むようなプールが有名かもしれませんが、すべての建物が自然の景色にマッチするようにつくられています。しかも、ホテル専属のアーティストまでいて、その方が洞窟で描いている絵がいたるところに飾られていたのも衝撃でした。


館内にはプールやジム、スパなど、なんでもあるので、とにかくずっとゆっくり過ごせます。お部屋の大きな窓からは外の風景がいつでも楽しめますし、部屋の外にある焚き火でサービスのマシュマロを焼いてみたりして、滞在を思う存分満喫しました。ただ、欲を言えば、やっぱり一泊だと物足りなくて、できれば二泊はした方がいいと思います(笑)。


ちなみに、オールインクルーシブのプランだったので、滞在中の食事はいつどこでなにを食べてもOK。モーニングには薪で焼いたパンケーキを食べましたが、過去一美味しかったし、お刺身みたいな和食メニューまで、豊富にそろっていました。

とにかく過去一番圧倒されたホテル滞在でしたが、ほんとうに行ってよかったと思いますし、なにより「AMANGIRI」という唯一無二の体験に対して、お金を払う価値があったなと、感じました。そして、帰ったら、また頑張って働こう、と言いながら、ホテルを後にするのでした……。

(執筆・角田貴広)