記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、広島・瀬戸田と東京・日本橋に拠点をおき、場やまちの企画・開発・運営を行う株式会社Staple代表の岡雄大による、旅先での記憶に残る思い出について。
旅とホテルのミニコラム:ほぼ365日更新中!
新たな顔 |岡雄大
2025.08.24
No.029

20代の頃、一人で訪れたことのあった場所に、10年越しで妻と再訪した。イタリア トスカーナにある「Castel Monastero」というホテルだ。かつて人が住んでいた修道院とその周辺の村をそのままホテルにリノベーションしており、石造りのありのままの美しさと、モダンな家具やアートとの対比が絶妙。
支配人のグラッツィエラは10年前と変わらず、「まさか帰ってくるなんて!」と言って出迎えてくれた。サルデーニャ出身で、周囲のスタッフたちは愛を込めて「サルデーニャの女は強くて怖いって言われてる。本当だった」と笑いながら話している。
めずらしく朝早起きして二人でランニングをしたのだが、森へ続く道はしりすぼみになり、入ってよいのか行き止まりなのか分からなかった。けれど普段は慎重な妻が、グラッツィエラの強さに背中を押されたのか、「行ってみようよ」と言い、たどり着いた先には、おとぎ話に出てくるような美しい森の景色が待っていた。妻との初めての海外旅行だった。






岡雄大
株式会社Staple/GOOD SOIL株式会社 代表取締役
岡山に生まれ、米コネチカットと東京で育つ。育つ過程で触れた世界の多様性や、旅をする中で触れた日本の地域毎の文化的ルーツの複雑性に魅了され、旅をし続けることを仕事にしたいと考えるようになる。大学卒業後は、スターウッドキャピタルグループの東京及びサンフランシスコオフィスで不動産やホテルブランドへの投資業務に従事。その後シンガポールで独立し、ホテルブランドへの投資戦略や経営企画に関するコンサルティングを行った後、2018年からStapleの本格稼働を開始。広島県 瀬戸田と東京都 日本橋に拠点を置き、都市一極集中ではない社会を見据えた場やまちの企画・開発・運営に情熱を燃やす。2025年からは地域経済に資金循環をもたらす投資ファンド運営の合弁事業GOOD SOIL INC.を三井住友信託銀行と開始。(photo:MISA SHINSHI)
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