記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、広島・瀬戸田と東京・日本橋に拠点をおき、場やまちの企画・開発・運営を行う株式会社Staple代表の岡雄大による、思い出に残る旅の”味”について。
旅とホテルのミニコラム:ほぼ365日更新中!
素のまま|岡雄大
2025.08.25
No.030

「ここでは鶏が一番えらいのさ」。
そうスタッフの方に教えてもらいながら、悠々と横切る鶏を避けるように部屋にたどり着いたのは、鹿児島にある「忘れの里 雅叙苑」。その集落では昔から鶏が神様なのだそう。食事処の前の東屋には水が湧き、色鮮やかな夏野菜たちが冷やされていて、厨房では職人が炭焼きの準備をしている。
「素材そのまま」とよく聞くが、ここの“そのまま“はまた特別であった。何を足しても蛇足になる気がして、ただただ“素”を楽しむべきだと思った。超美味な鶏の刺身も出てきたが、神様じゃなかったのかな……。あれは良かったのだろうか。





岡雄大
株式会社Staple/GOOD SOIL株式会社 代表取締役
岡山に生まれ、米コネチカットと東京で育つ。育つ過程で触れた世界の多様性や、旅をする中で触れた日本の地域毎の文化的ルーツの複雑性に魅了され、旅をし続けることを仕事にしたいと考えるようになる。大学卒業後は、スターウッドキャピタルグループの東京及びサンフランシスコオフィスで不動産やホテルブランドへの投資業務に従事。その後シンガポールで独立し、ホテルブランドへの投資戦略や経営企画に関するコンサルティングを行った後、2018年からStapleの本格稼働を開始。広島県 瀬戸田と東京都 日本橋に拠点を置き、都市一極集中ではない社会を見据えた場やまちの企画・開発・運営に情熱を燃やす。2025年からは地域経済に資金循環をもたらす投資ファンド運営の合弁事業GOOD SOIL INC.を三井住友信託銀行と開始。(photo:MISA SHINSHI)
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