somewhere
365days_logo
旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
お詫びの阿闍梨餅|あかしゆか
2025.11.21
No.078

記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、編集者・ライター・本屋店主のあかしゆかによる、お土産にまつわるエピソード。

とにかく出張や旅が多い。夫にはいつも申し訳ないなと思う。夫は会社の同僚に私のことを「出張が多い仕事をしていてほとんど家にいない嫁」と説明しているらしい。嫁という漢字の真逆をいっている。


旅先すべてでお土産を買っていたら大変なことになるので、心から「これは!」と思ったものや、夫に頼まれたもの以外はあまりお土産を買うことはない。けれども私が唯一自ら必ず買うのは、京都の定番のお土産「阿闍梨餅」である。もちっとした皮とシンプルな餡子のバランスは絶妙で、いつだったか、夫が「おれ、これ好きなんだよね」と言っていたのを聞いてからというもの、阿闍梨餅だけは必ず買うようにしている。


私の実家は京都にあって、旅や出張で疲れたら京都に立ち寄り、実家で一泊してから帰る時がある。だから京都に泊まる頻度はとても高い。夫の阿闍梨餅好きは私の母親も覚えていて、「ほら、◯◯くんに阿闍梨餅買って帰らんでいいの?」と聞いてくる。


これまで、何個の阿闍梨餅を買って帰ったのだろうとふと思う。阿闍梨餅の購入数は、いつも私を自由にしてくれる夫への感謝とちょっとばかしの罪滅ぼしの象徴なのだ。次から阿闍梨餅カウントを始めてみようかな、と、そんなことを思うのであった。

share on
あかしゆか
あかしゆか
編集者・ライター・本屋店主
1992年生まれ、京都出身。2020年から東京と岡山の2拠点生活をはじめ、2021年4月に瀬戸内にて本屋「aru」を、2025年4月に2号店となる「aru鷲羽山店」をオープン。
戻りたいと思える場所|かまがみまほ
かまがみまほ
コピーライター / ライター
自由になれる旅 |あかしゆか
あかしゆか
編集者・ライター・本屋店主
コラム一覧をみる