記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、コピーライター / ライターのかまがみまほによる、旅先での過ごし方について。
旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
会いに行きたい |かまがみまほ
2025.11.27
No.080

旅へ出る理由のひとつに、「会いに行く」があると思う。もちろんSNSですぐに繋がれる世界に生きているけれど、やっぱり会う喜びには敵わない。特別な観光なんていらない。刺激的な体験も必要ない。ただ元気でやってるかなって、そうやってひょこっと会いに行きたい友人が、何人もいる。
10月の終わり。仁川空港に降り立ち、ソウル市内に住む友人の家へ向かっていた。もともと共通の友人が韓国に行くことを聞いていたので、「私も同じタイミングで行けば3人で遊べるじゃん!」と半ば勢いでチケットを取ったのだった。秋のソウルは街全体が紅葉しているようで、抜けるように高い青空のなかを、ウロコ雲がゆっくり泳いでいて美しかった。ずっと気持ちがよくて、ずっと楽しかった。
「暮らすように旅をする」なんて言葉が流行ったけれど、誰かに会いに行くときは「暮らしにお邪魔する」ような旅になる。朝は早起きして、みんなでわんこの散歩へ。その後は別行動。それぞれ仕事を済ませたり、お買い物したり。夜は集まって、ささやかな晩酌。週末は一緒に街へ。サムギョプサルを食べ、締めにアイスとワインのお店で飽きるまでおしゃべり。
東京でもできるような遊びばっかりだけど、それでいい。なにを話したかもあんまり覚えていないけど、それがいい。久しぶりに会っても昨日の続きのように話せる友人の、からっとした秋の温度みたいな心地よさ。みんなで会えてよかった。会いに来てよかった。だってそれは、愛だな、とか思うから。なんて湿っぽいことは、恥ずかしいから言わないけども。




かまがみまほ
コピーライター / ライター
1998年生まれ、北海道出身。イギリスの大学で観光学を学んだが、現在は日本語のコピーライター / ライターとして、言葉を考えること全般を生業とする。
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