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旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
音楽が風景を完成させる |マール コウサカ
2025.09.19
No.051

記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、ファッションブランドfoufouデザイナーのマール コウサカによる、旅の必携品について。

旅には音楽を持っていく。


晴れた海岸線を車でドライブしたり、海沿いのホテルに泊まるならば西海岸のインディーロックや日本の80sのシティポップが波のきらめきとよく合う。カッティングギターは潮風となぜこんなに相性が良いんだろう。


秋の軽井沢や金沢では70sのジャズやスモーキーなソウルが木々の影を深く染める。トレンチコートの襟を立て、朝霧の中を歩けば、音は風景に溶け込み、自分が映画のワンシーンにいるような錯覚をくれる。


山で焚き火を囲む夜には、中部アメリカやスコットランド、北欧のフォーク。アコースティックギターの音は、小さな炎の揺らぎと呼応しながら夜をやさしく包む。


日本の田舎道やロードサイドには少しマニアックなインディーバンドがよく似合う。その響きは、見慣れた景色に懐かしさを足し、ただの通り道を思い出に変えてしまう。


風景は、それに相応しい音楽によって完成する。

その瞬間、旅の移動は「物語」へと変わっていく。

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マール コウサカ
マール コウサカ
foufouデザイナー
ファッションブランド「foufou」デザイナー / 代表。1990年東京生まれ。
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マール コウサカ
foufouデザイナー
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