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旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
ちいさくて気軽な旅 |あかしゆか
2025.11.19
No.076

記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、編集者・ライター・本屋店主のあかしゆかによる、お気に入りのホテルについて。

岡山と東京の2拠点生活を始めて、かれこれもう5年以上の月日が過ぎた。岡山にいる時は瀬戸内海沿いの「児島」という街に住んでいて、海が見える部屋で毎日、穏やかな日々を送っている。


児島での暮らしを心から愛している私だけれど、ひとつだけ不満をあげるとするならば、それは「気軽に飲みに行けない」こと。お酒(というよりも酒場)が好きな私にとって、駅から車で20分、周囲に飲食店がほとんどないこの環境は致命的である。でも、岡山駅まで足を伸ばせば魅力的な酒場がたくさんある──ということで私はいつからか、岡山駅までひとりで飲みに出かけるようになった。


岡山駅で飲むと、帰りは必然的に児島駅からタクシーになる。タクシー代を払うことを考えると、岡山駅でお手頃なホテルに泊まってしまうのと大差はない。終電を気にしなくてもいい開放感を加味すると私にはそっちのほうが都合がよくて、飲んだ日には岡山で一泊して帰る、というのが習慣になっていった。


そんな私が愛用しているのが、「ホテルアベストグランデ岡山」だ。大浴場にはサウナがあって、ウェルカムドリンクもアメニティもついていて、ジムも併設している。しかもお手頃。たらふく飲む。そして、酔った体で眠りにつく。朝サウナに入ってお酒を抜いて、近くのミスドでドーナツを買って児島まで帰る。


こんなちいさくて気軽な旅が、私の毎月の楽しみだったりする。そしていつも安心して気持ちよく帰れる宿があるありがたさを、酔っ払った頭で噛み締めるのだ。

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あかしゆか
あかしゆか
編集者・ライター・本屋店主
1992年生まれ、京都出身。2020年から東京と岡山の2拠点生活をはじめ、2021年4月に瀬戸内にて本屋「aru」を、2025年4月に2号店となる「aru鷲羽山店」をオープン。
自由になれる旅 |あかしゆか
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