記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、HOTEL 2YL ATAMI、1999/hotelオーナーの長瀬勝彦による、旅のお供について。
旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
ノート |長瀬勝彦
2025.11.07
No.072

旅の支度。日頃からどこへ行く時も使っている大きいトートバッグにものを詰めていく。内ポケットのないこのバッグでは全ての物が混ざり合ってしまうため、数枚の巾着などを使って仕舞う。マトリョーシカのように何重もの殻に守られた先にはいつも一冊のノートがある。
自分の感情、考えていること、これまでのこと、これからのこと。自分に関する様々な言葉や図を書(描)き続けてきたこのノートはどこにいく時も無意識に連れていた。
旅に出て、目の前の景色がいくら変わっても、世界の半分は自分のまま。自分だけはどこまでもついてくる。
一見、外側に向けたエネルギーの放出に見える旅という行為は、目の前の景色と自分に線を引く、あるいは見えなくなっていたその線を認識するためのもので、むしろ自分の内側に潜っていく作業なのかもしれない。

長瀬勝彦
HOTEL 2YL ATAMI、1999/hotelオーナー
1999年藤沢生まれ、京都で育つ。大学を卒業後、不動産業界へ進み上京。2023年6月 静岡県熱海市にてHOTEL 2YL ATAMIを開業。翌年春、隣町に1999/hotelを開業。
書く・読むを楽しめるホテル
旅先で、自分の内側に潜る時間を。
