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旅とホテルのミニコラム:ほぼ365日更新中!
窓と屋上と光|長田果純
2025.08.30
No.034

記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、写真家の長田果純による、気になる宿の設えについて。

何度も訪れている韓国。宿泊するホテルは毎回違う場所を選ぶようにしている。観光地エリアのときもあれば、外国人がいないような住宅街や郊外に泊まることもある。韓国にいる間はほとんどを散歩に費やしてしまうため、宿はある程度の掃除が行き届いていて、最低限の設備があれば…と思いながら選ぶことも多い。


そのせいか、掲載されていた写真と実際の室内の様子が違ったり、想像以上に狭かったり、造り途中だったり、昨日まで誰か住んでいた…?!と感じる不思議なホテルもあったりする。こだわりがないわけではないが、それも旅ならではの醍醐味として楽しめてしまう自分がいる。そんな中、ホテルの“窓”は私にとって重要なポイントだ。


ホテルの部屋に着くと、まずカーテンを開けて窓から外を覗く。韓国は高層のアパートやビル、ユニークな建物や、屋上を活用している建物が多く、窓からは街や人々の生活の様子や風情がこれでもかと飛び込んでくる。


夜中になったら部屋の電気を暗くして、カーテンの中に入りながら街を見て、朝はカーテンを開けてたっぷりの日差しを部屋の中に取り込みながら外を見る。ホテルにいるほとんどの時間を、外の景色を覗いている時間に費やしていると言っても過言ではない。


自分のいる空間が夜のネオンや朝日に包まれる。外の世界と室内が一体になったような瞬間が、私はたまらなく好きだ。

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長田果純
長田果純
写真家
14歳の頃から写真を撮り始め、現在は雑誌やWEB、本の装丁など様々な媒体で活動中。人の営みや生活の気配、動物、石、死に関心を寄せながら、作家としても作品制作を行う。
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