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旅とホテルのミニコラム:ほぼ365日更新中!
熱々のワンカップ|施清元
2025.08.07
No.015

記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、Sleepy Tofu 日本事業責任者の施清元による、思い出に残る旅の一皿について。

『ゴールデンカムイ』がきっかけで女満別へ飛んだ。例年より雪が少ないとはいえ、上空から見下ろす屈斜路湖は雄大で神秘的、そして寒い。

朝五時に起きて、カヌーツアーに参加。ガイドの吉田聡さんは関西出身で、釣り好きが高じて各地を巡り、屈斜路湖に魅了されてここに辿り着いた。前夜に張った薄氷をカヌーで破りながら進むのは早朝ならではの楽しみ。

撮った写真がカラーか白黒か分からなくなる瞬間がある。吉田さんの愛犬の服だけが判断の手がかりだ。凛とした空気の中、氷のかけらが船体に当たる音が、チリン、チリンと侘寂の景色に伴奏している。

防寒着を重ね着していても一時間で体の芯まで冷え、中洲で休憩した。吉田さんがリュックからポットを取り出し、ホットココアを注いでくれた。ブラックペッパーのミルまで用意してあり、味変用だという。目の前の景色とともに味わいながら、これは単に心身が温まっただけではなく、「おもてなし」の真意について考えさせられた。

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施清元
施清元
Sleepy Tofu 日本事業責任者
医学部卒業後、一枚のCDジャケットに魅せられ、デザインの道へ。現在は寝具ブランド「Sleepy Tofu」の日本事業責任者を務める。出張の合間には各地の居酒屋巡りを楽しみ、老舗居酒屋の著書がある。
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