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旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
日本酒と酒場は、日本を楽しむための補助線だ |奈雲政人
2025.10.09
No.059

記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、企画と編集を生業とする奈雲政人による、旅先での過ごし方について。

きょうの日本酒という、日本酒のサイズ(一合瓶)と情報(個性を記載)と差し出し方(器や本と合わせるなど)をデザインしたブランドを企画/運営している。そのため、酒蔵見学をする機会が、一年で約40回ほどあった。酒蔵出張の際に決めていたルールが二つある。


① 街の名酒場に行く(できれば酒蔵の方におすすめを聞いて)

② その後、スナックにもいく


である。簡単な様で、意外と難しい。なぜなら、どちらも暗黙のルールがそれぞれあるからだ。


酒場で言えば、何から頼む?3杯目に飲むべきお酒は?大将になんて話しかける?他のお客さんとの距離感は?初対面の方との会話のネタは?...細かいことが、山ほどある。全部はうまくいかず、「少しやらかしたかな」ということが出てくる。


しかしこれこそが、酒場の醍醐味だ。普段の自分の行動や考え方を、変えるしかない。そのために、その場を文化として向き合っていく必要がある。初めて来店した自分は、最下層。お店を出るまでの2時間でどう過ごせたかの答え合わせは、2軒目のスナックを気持ちよくおすすめしてもらえるかで見えてくる。


ハードルは少しあるものの、その姿勢で酒場に向き合えば、地域の情報が耳に入ってくる。次の日の予定も、その情報ありきで余白をつくっておく、というのも学びだった。


このハードルを一番下げてくれる裏技が、酒蔵の方による直々の推薦である。具体的には、来店前に電話を一本かけてもらうのだ。これが相当強力で、初来店の我々が大歓迎を受けることができる。裏技がゆえにあまり多発しない様にしてるのだが、この「地域におけるお酒を通した信頼の道」が、実は日本酒や酒蔵の持つ大事な資産なのだと、出張のたびに感じるのだった。

長野県松本市の山女やさん。山賊焼きからの締めは美味しい蕎麦があるというオールインワンスタイル。

大分県別府市の香凛さん。注文ごとに大きな餃子を包んでくれる。優しいが複雑な味わいで、面白い種が沢山。

岩手県二戸市近くのレストラン・ボヌールさん。酒蔵の方と一緒に、切り立ての生ハムと熱燗を合わせた。

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奈雲政人
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企画と編集
酒・食・ホテル・工芸・薬・新技術等々、分野に限らずその物の魅力発見と差し出し方、仲間づくりを生業にしています。趣味は酒場呑み歩き。梯子酒は企画力。
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