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旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
感覚が研ぎ澄まされる宿 |Kana Kurata
2025.12.03
No.082

記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、フォトグラファーのKana Kurataによる、忘れられないホテルについて。

直島に行く際、宇野港近くの「蜜圡」に宿泊した。二階建ての一棟貸しの宿で、一歩踏み入れた瞬間、こだわり抜かれた空間に圧倒された。宿泊先でこんなことは初めてだったと思う。生活感が出てしまうものが徹底的に目隠しされたしつらえ、行き届いた清掃や心配りに、自分自身もいつもより丁寧な所作を心がけないと、という気持ちにすらなった。その適度な緊張感によって自然と感覚が研ぎ澄まされていた気がする。


窓ガラスやカーテンを通る光、壁の質感や色が、朝夕で異なる表情を見せ、ぼーっと見ているだけで時間が過ぎてしまった。書斎やレコードプレーヤーもあり、この宿を存分に味わうにはあまりにも時間が足りなかった……。瀬戸内国際芸術祭に関連した書籍も多くあったので、もしまた機会があれば、島旅の後に知識や思考をじっくり深めるような過ごし方もしてみたい。

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Kana Kurata
Kana Kurata
フォトグラファー
1995年生まれ、愛知県出身。2021年よりフリーランスとして、広告や個人作家・店舗等の撮影を行いつつ、展示等の自主制作も行う。
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